うたわれるもの 二人の白皇
終わってみると寂しいような悲しいような。
長かった旅路
アダルトゲームとして発売されたPC版から15年近い年月が経ち。当時から続編を望んでいたユーザーの首はもう何処から来て何処に行くのかわからないぐらい長くなってしまった本作だが、どうやら終わりのようだ。
続編の可能性はありそうなのか無さそうなのか微妙な所も「うたわれるもの」っぽさだろうか。
うたわれるものとの出会い
思い出補正もあるかもだがトウカがやっぱり一番かわいい
私は特に「うたわれるもの」のコアなファンという訳ではなく比較的ライトなファンだ。
無印をクリアしたのはそう昔ではなくDMMのDL販売で半額セール中のモノを見つけて購入した。
「うたわれるもの」はアニメやらじおを視聴しており物語の大筋は随分前から知っていたが実際にゲームをプレイしたのはそれが初めてだった、面白いが絵柄も随分古く濡れ場がとても素っ気ないので「コレではオカズには使えないな」と思ったのを覚えている。
三部作について思うこと
無印の発売から9年近く経っての続編制作。
そしてやり終えた今思うことは三部作にする必要はなかったということだ。
基本的に無印の「うたわれるもの」と話しの流れが同じなのだ。
記憶喪失の男から始まり、国を興し、神様と戦う。
水戸黄門のソレと同じように最後には印籠をみせて終わる。それは一つの安心感を生むモノかもしれないが、三部作という一本道の大きな流れの中では一本の映画を三回繰り返し見せるようなもので(後から作られたモノは前、後編なので実質二回ではあるが・・・)既視感が付きまとうのは当然だった。
うたわれるものの世界
三部作と銘打って世界が無印からそれほど広がらなかったのも残念だった。
主人公が前作の主人公。ハクオロとはアイスマンか人間かの違いはあれど、どうにかして生き残った人間なのは予想できていたしプレイ中もそれに違和感を覚えることはなかった。が、余りにも前作からの世界観の掘り下げが少なくもっと世界を深く楽しめるのかと期待した私は少しガッカリしてしまった。
三部作と銘うつのであればもうすこし風呂敷を広げてほしかったし、そうでないなら外伝的な位置づけにしてほしかった。
それでも光る所
無印と二作目三作目の違いといえばやはり入れ替わりだ。
主人公とウコンが入れ替わり、成り代わり、それを信じてくれる仲間に打ち明けられず、欺く。
信頼関係を築いているのに後ろめたさが付きまとう、暗く切ない部分がハクとハクオロの決定的な違いだ。
二作目はその伏線を張るのに労力を相当割いてしまっていたが、三作目では完全にハクがウコンに成り代わり、ウコンが死にウコンに未来を託されるので仲間にはハクが死んでいるということになってそれを聞いた人物の反応はすべてウコンに成り代わったハクに返ってくる。
打ち明けたい感情と打ち明けられないもどかしさを抑え込みながら進むハクの姿は、完成された大人といったイメージで精神的に安定していたハクオロとは対照的に不安定な幼い子供の様で見ているこちらとしては緊張感があり、常に目が離せない状態だったし三部作を終える頃には完全にハクオロよりハクに対する思い入れの方が強くなっていた。
ラストの解釈
ハクxハクオロがあるかどうかは知りません。
最後の最後でハクはお星様になるわけですがハクオロさんが復活してフェードアウト・・・。
できればもうちょっとお話続いても良かった。というよりハクオロさん本人も言っているがハクのおかげで復活して「娘に合わせる顔が無い」ってホントにその通りで包み隠さず話すと刺されるんじゃないの?って状況だからどうやって回避したのだけ知りたい。
最後に
肩透かしの面もあったのは確かですが最終的にハクがとてもいいキャラになれたので概ね満足できました。
おそらく物語は完結でしょうが、できれば3作目のアニメ化だけ何とかならないかな・・・。